【読むのめんどくさい人への簡単要約】 人脈なんてクソだ。
ばーっとまとめますので、興味をもったらぜひ読んでください。
三浦 崇宏さん著の2020年4月新刊。
キャッチーなタイトルは流石は博報堂のクリエイター出身だなと思います。
本の内容は『今の時代にどうビジネスをしていくか』について
株式会社GOという会社を立ち上げた三浦さんならではの視点と
広告業界の目線を合わせた内容です。
ただ、中身はタイトルから想像される、「人脈なしでのビジネス」
に即した内容ではなく、タイトルは本のほんの一部分の記載です。
まとめると一言
「人脈」は人を損得という一面でしか捉えていない、下品な言葉
後は起業家の本にありがちな、昨今の変化の話や
ダーウィンの言葉に近しい「生き残るのは強い者ではなく、変化し続けた者」
などの文章が並びます。
とはいえ、「い・ろ・は・す」のエピソードなど
広告業界での経験の話は面白く、キャッチーなフレーズが出てくるところは
他の著者との違い良い点。
三浦崇宏さんについて
元博報堂の若手ホープで、2017年に33歳で博報堂を辞め「株式会社GO」を設立。
「いいから行けよ」がモットーだそうです。
第一章 「大航海時代」の到来だ
・SNSが世の中を動かす人を「大きな組織」から「個人」へ変えた。
一般人からしたら「ふーん」と思ってしまうことですが、広告業界からしたら凄い変化ですよね。
「100日目に死ぬワニ」なんかでは、電通も関わろうとして失敗に終わるなど
世の中的に作られた広告への拒否反応が大きくなっています。
・Howは状況によって変えてもいいが、Whyは絶対に変えるべきではない
今の世を楽しんで生きる考え方です。
転職市場が盛り上がっている世の中で、どういう方法かを変えるのは悪くないが
「自分のやりたいこと」や「人生の目標」は変えないことを勧めています。
例:Why→動物を守りたい How→「ペットショップ」「動物病院」「国の機関」
・「問題解決力」から「課題設定力」へ
世の中の今ある問題は「ほぼ解決している」or「解決できる」。
今後求められているのは、気づいていない問題を気づかせ、解決策を提示すること。
これは、営業の名著
「チャレンジャー・セールス・モデル」マシュー・ディクソン&ブレント・アダムソン(著)
でもメインで語られている、商売で最も重要なことだと思います。
・なぜ「大航海時代」か
大きな変化のリスクがある時代。(急激なストロー廃止により、ストロー生産の会社は潰れるか?)
GAFAが日本にかなり深く上陸しており、色々な企業が開国を待ったなしで強制される。
「開国」や「大航海時代」といった、まさに歴史的な大きな変化に今たっている。
第二章 日本の7割よりも世界の2割を狙え
・「プロダクトアウト」から「マーケットイン」へ
これまでは良い物(安くて価値のあるもの)を作れば
広告や流通で売ることができたが、買い手は珍しいや有名では
商品を買わなくなってきた。
「プロダクトアウト」
技術や製造設備といった提供側からの発想で商品開発・生産・販売といった活動を行うこと。
「マーケットイン」
市場や購買者という買い手の立場に立って、買い手が必要とするものを提供していこうとすること。
・タピオカミルクティーをみんな飲んだことあるか
タイトルに続けて、「紅白に出ている国民的なアーティストを全てわかるか」。
私はLiSAがわからなかったし、タピオカは飲んだことない。
ここで示されるのが「日本国民という全体での流行」ではなく、
細分化されたコミュニティでの流行がメインになっている。
女子高生の間で流行ったり、逆にビジネスマンだけで流行っているものもある。
「国」「人種」「言語」「年齢」ではなく、「価値観」で分断される時代。
日本国民の価値観に刺さるものより、2割でも世界中の
「内輪受け」を狙うのが今後のビジネスで成功する秘訣。
第三章 イチローに素振りをやめろっていうやつがいるかよ
・仕事に没頭していることで救われる夜もある
働き方改革について書かれた章です。
確かにイチローみたいに、「何かを目指していて」「楽しんでいる」人にとって
強制的な仕事時間の短縮は、適切ではないですね。
もちろん仕事時間が短くなることを望んでいる人もいますが
「ワーク・ライフ・バリュー」https://okan-media.jp/work-life-value/
もっとも価値の感じるポイントを一人一人が見つけることが大切、と言っています。
YouTube講演家の鴨頭さんの主張と似ていますね。
第四章 「人脈」なんて言葉を使っているやつはクソだ
・「人脈」というのは最も下品な言葉
本のタイトルにもなっている言葉。
人との繋がりを大切にしなくて良いと言っているわけではないし
むしろ、三浦さんは人との繋がりを大切にしている方だと思います。
ただ、人脈を広げようと考えている人は
「人を損得という一面でしか捉えていない」
「人のことを金儲けの道具としかみていない」
という根底がクソ。
・オンラインサロンは他人の熱狂で安心しているだけ
流行りのオンラインサロンについて、否定的な意見でした。
ただ参加し、世の中や自分を変えようとしている人のそばにいて
「おこぼれ」や「自分も変わった気分」を得て満足している人は
確かに多いですね。
第五章 大海に漕ぎ出すためのトレーニング
・違う戦い方で勝つ
戦い方の視点を「い・ろ・は・す」や「キングダム」の例を出し、説明しています。
この本の一番面白い部分だと思いますので、ぜひ読んでください。
キングダムが、ただ真正面から軍をぶつかり合わせるだけの漫画であれば
ここまでヒットしないですね。
工夫し、考え戦う。
ビジネスシーンで戦略、戦略と連呼されている理由を改めて考えさせられます。
・アイデアは自分の外にある
自分で絞り出すアイデアよりも、「Yahoo!ニュースの見出し」を見ることで
「社会が何に興味あるか」「何が人を惹きつけているか」わかります。
そして社会との関連性を持たせることにより、ヒットが生まれます。
・カラーバス
カラーバス効果を用いて、世の中の動きを観察する方法です。
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【カラーバス効果】
ある特定のものを意識し始めると関連情報が自然と目に留まりやすくなる心理効果。
例:好きな車があると、その車がやけに街を走っているように感じるなど。
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色を決めて、一日外を歩くことによって
なぜその色を使っているのか、「安心を与えたい?」「お得に見せたい」など
企業の考えや、ビジネスの深層を考えるきかっけになります。
本の要約は以上です。
ビジネス書は要約してしまうと、つまらないですが
著者の業界のこぼれ話など、その考えに至った過程が面白いものです。
ぜひ広告業界に面白みを感じるなら、迷わず読んで価値あると思います。
迷わずやりたいことはすぐにやる
「いいから行けよ」
は誰しも大切にしたいことです。
人脈なんてクソだ。 三浦 崇宏 (著)